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社長メッセージ

設立20年を迎えて
株式会社ティー・アイ・ダヴリュは、2020年3月15日に設立20年を迎えました。

これまで会社を継続して来られたのは、弊社の掲げた理念に賛同してくださったお客様や、ご協力・ご支援を頂いた多くの皆様、ならびにご執筆を頂いているアナリストの方々、そして支えてくれたスタッフの貢献によるものでした。心より深く感謝を申し上げます。

とは言え、この20年は山あり谷あり、また試行錯誤の連続でした。また、残念ながら当初掲げた理念・目標に対しては、殆ど達成できていないというのが現状です。

TIWは、90年代後半から顕在化してきた証券会社のリサーチの利益相反問題を解消することを目的に掲げてスタートしました。ご記憶にある方もいらっしゃると思いますが、委託手数料の引下げによって、リサーチ部門のコストを投資銀行部門によって賄われることによって、アナリストの投資評価の中立性が脅かされると同時に、投資銀行部門の顧客対象になる企業でないと調査対象になり難いという問題を引き起こしました。
2002年に米国において大きな社会問題となり、業務ウォールやコンプライアンスの強化などの規制強化が進められることによって一定の解決をみたのですが、根源的な部分についての問題は依然として残されております。
根源的な部分とは、アナリストなど調査のコストを一体誰が負担するのかという問題です。
その後、委託手数料率の低下に歯止めがかからない中で、証券会社は多くの手数料を払ってくれるヘッジファンド向けにリサーチの資源を振り向けてゆきました。その結果、早耳情報が横行し、一部の証券会社においてインサイダー情報という不祥事まで引き起こしました。

2018年に欧州では、MiFiD2(Markets in Financial Instruments Directive 2=第2次金融商品市場指令)が施行され、その中で運用会社は証券会社に支払う売買手数料とリサーチに対する対価の分離を行うことが義務付けられました。これも調査部門の収益を圧迫する要因となりました。企業体力の有る大手証券ではベーシックリサーチを強化するという原点回帰を図ることで差別化と生き残りを図っております。しかし、まだそれが大きく奏功したという話は聞こえては来ません。

セルサイド・アナリストがその役割を十分果たせなくなってゆく状況で、発行企業のIR強化が進みました。また、スポンサードレポート(発行企業の依頼によるレポート作成)の市場が形成されていきました。動画配信や説明会の書き起こし(スクリプト)などIRの周辺分野の発展には目覚しいものがあります。

この間、TIWが採ったアプローチは、対象とする顧客(金融商品販売業者)を広げることによって、スケールメリットを創出し、既存の証券会社のアナリストが顧客対応(プレゼンやセミナー)に膨大な時間を割くのに対して、調査と執筆に特化することで効率化を図るというものでした。しかし、対面の証券会社が営業品目を投資信託や仕組債などにシフトさせてゆくことで株式売買を縮小していったこと、株式委託手数料の低下が想定を遥かに超え、リーマンショック以降は防戦一方の状況が続きました。

しかし、他方で2011年暮れから取り組んだTIWモデルポートフォリオにおいては一定の成果を示せたのではないかと考えております。「Value with Growth」(成長性を持ちつつ、割安)な企業を発掘・保有することで市場平均より高いパフォーマンスを実現できることを実証する仮想ポートフォリオとして取り組んで参りました。

2016年に株式会社アイフィスジャパン(以下、アイフィス社)と包括業務提携を行い、データ等の提供を受けつつ、コストダウンを図りました。今後は、この提携関係をコンテンツ作成分野で発展させてゆく考えです。

先ほども申し上げましたが、2010年代は兎に角、防戦一方の10年間でした。2020年代は再度飛躍を目指す10年間でありたいと考えております。

皆々様には変わらぬご支援・ご鞭撻を賜れば、誠に幸甚です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
藤根 靖晃

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